「GA4×BigQuery×Looker Studio連携」におけるQ&A集
わたしたちGroch(グロック)では、GA4、BigQuery、Looker Studioの導入・連携をご支援するサービスを展開しておりますが、これまで数多くの企業さまから、「GA4×BigQuery×Looker Studio連携」に関する様々なご質問をいただいて参りました。
中には複数の企業さまから同じご質問をいただくことも少なくないことから、これらをQ&Aとしてまとめて、同じような疑問やお悩みを抱える方のお役に立てればと考え、本記事を作成いたしました。
GA4、BigQuery、Looker Studioの導入や連携における疑問解消の一助にしていただければ幸いです。
こちらのQ&A集では、今後も随時、内容を追記していく予定です。また、本記事では解消ができないご質問がございましたら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
目次
BigQueryの料金に関連するQ&A
BigQuery料金の予算管理について
- BigQuery利用料について、あらかじめ確保した毎月の予算以上の請求額になってしまった場合、社内予算管理上、かなり厳しく指摘がされ、BigQueryを使用し続けることが難しくなる可能性があります。
そういった事態を避けるための対策として、例えば、毎月の予算を2万円などと決めて、2万円を越えそうなタイミングでアラートや使用制限をかける、といったことは可能でしょうか? -
はい、BigQueryではそのような事態を避けるための対策が可能です。以下の2つの設定をおこなうことで、予算以上のBigQuery料金の発生を避けて、安全に運用することが可能になります。
アラート設定
BigQueryでは、指定した予算額に近づいた際にアラートを受け取る設定ができます。例えば、毎月の予算を2万円とした場合、この額に近づくと事前に通知を受け取ることができます。
クエリ上限設定
さらに、一定のコストが発生した際にクエリを自動的に停止する設定も可能です。これにより、設定した予算を超えることなく、安心してBigQueryを使用し続けることができます。
BigQueryの概算料金計算について
- GA4で今後計測されていくデータの保存とBigQueryの料金について質問です。
BigQueryを利用することで14か月より前のGA4データも保持できる認識ですが、自社の場合、どの程度の利用料になるのかが不明なため、確認方法などあればご教示いただきたいです。 -
データの保持期間に関しましては、ご認識の通り、BigQueryを利用することで14か月より前のデータ保持が可能となります。
また、BigQueryの料金につきましては、弊社に概算のBigQuery利用料を計算するシミュレーションツールがございます。
- 直近のGA4のイベント数(最低1か月分)をお知らせいただければ「ストレージ料金」の算出が可能(BigQueryに蓄積したデータをSQLで抽出(Looker Studioでレポート化など)を想定している場合)
- おおよそのLooker Studioの利用頻度をお知らせいただければ「分析料金」の算出が可能
です。
ストレージ料金と分析料金の合計がBigQueryの月間利用料となります。
Looker Studioに関連するQ&A
Looker Studioのアクセス権限について
- LockerStudioにアクセスできるユーザーをIPアドレス制限等で制限することは可能でしょうか?GA4側のアクセス管理で制限するしかないでしょうか?
-
Google Cloudが提供する「Looker(有償版)」にはIP制限機能はありますが、「Looker Studio(無償版)」にはIP制限機能はありません。
Looker Studioの権限設定は、Googleアカウントを用いてLooker Studioのコンソール上で権限設定が可能です。なお、設定できる権限は以下の通りとなります。
Looker Studioのアクセス制限レベル
- ネット上に公開され、誰でも検索・閲覧・編集できる。
- ネット上に公開され、誰でも検索・閲覧できる。編集はできない。
- データのリンクを知っている者だけが閲覧・編集できる。
- データのリンクを知っている者だけが閲覧できる。編集はできない。
- 特定のユーザーだけがアクセスできる。ユーザーごとに、閲覧・編集権限が設定される。
もし、Looker StudioでIP制限を設定したい場合には、Google Cloudの「VPC Service Controls(有償セキュリティサービス)」と連携させることで可能となります。
しかし、ランニングコストをできる限り抑えるのが目的であれば、上述の通り、Looker Studioのコンソール上での権限設定で対応するのがよろしいかと思われます。
データ連携に関連するQ&A
GoogleサーチコンソールとLooker Studioの連携について
- Looker StudioとGoogleサーチコンソールを直接連携することは可能でしょうか?
-
はい、直接連携することは可能です。
GoogleサーチコンソールとBigQueryの連携について
- Looker Studioとサーチコンソールの直接連携ではなく、サーチコンソールのデータをBigQueryに取り込んでからLooker Studioでそのデータを可視化することは可能ですか?また、以下①②のそれぞれのメリット・デメリットを教えてください。
①サーチコンソールとLooker Studioを直接接続する場合
②サーチコンソールのデータをBigQueryに取り込んでからLooker Studioでデータを可視化する場合 -
サーチコンソールのデータをBigQueryに取り込んでからLooker Studioでそのデータを可視化することは可能です。
また、①②のそれぞれのメリット・デメリットは以下の通りです。
- ①サーチコンソールとLooker Studioを直接接続する場合
-
メリット
- シンプルさ:中間のデータベースやストレージを使用せずに直接データを取得できるため、セットアップが簡単です。
- リアルタイム性:データの遅延が少なく、最新の情報をリアルタイムで取得できる可能性があります。
- コスト:BigQueryのストレージやクエリのコストが発生しないため、コストが節約できる場合があります。
デメリット
- APIリクエスト上限エラー:サーチコンソールのAPIにはリクエストの上限が設定されており、これを超えるとAPI上限エラーが発生します。制限を超えると、API上限エラーが発生し、一定時間データの取得ができなくなる可能性があります。このようなエラーは、頻繁に大量のデータを取得する場合や、多くのユーザーが同時にデータを取得する場合に特に発生しやすくなります。
- 柔軟性に欠ける:BigQueryのようなデータベースを使用しないため、データの加工や複雑なクエリの実行が難しくなる可能性があります。
- スケーラビリティ:大量のデータを扱う場合、直接の接続はパフォーマンスの問題を引き起こす可能性があります。
- ②サーチコンソールのデータをBigQueryに取り込んでからLooker Studioでデータを可視化する場合
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メリット
- APIリクエスト上限エラーの回避:BigQueryにデータが保存されているため、Looker Studioでの分析時にAPIを直接叩く必要がなく、リクエストが減少します。これにより、安定してデータ分析を行うことが可能となります。
- 柔軟性:BigQueryを使用することで、データの加工や複雑なクエリの実行が容易になります。
- スケーラビリティ:BigQueryは大量のデータを効率的に処理できるため、大規模なデータセットにも対応可能です。
- データの保存:BigQueryにデータを保存することで、長期的なデータの分析や履歴の追跡が可能になります。
デメリット
- コスト:BigQueryのストレージやクエリのコストが発生します。
- セットアップの複雑さ:サーチコンソールからBigQueryへのデータのエクスポートと、その後のLooker Studioとの接続の設定が必要です。
データのバックアップに関連するQ&A
UA(ユニバーサルアナリティクス)データのバックアップについて
アドオン利用時のAPIリクエスト制限について
UAデータのBigQuery保存について
- UAのデータをBigQueryに入れることで過去データの保存は可能ですか?
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UAの過去データをBigQueryへ保存することは可能です。
なお、UAのローデータに関しては、有償版アナリティクス(Googleアナリティクス360)のみで利用可能です。(※GA360(UA)の計測期限が2023年10月1日から2024年7月1日に延長)
その他の方法としては、UAから手動でエクスポートして過去データをBigQueryに保存する方法があります。
こちらは、用途によりどのようなデータをダウンロードしてBigQueryに保存するかなど、検討する必要があるかと思います。