GA4のレポートを閲覧していると、「表示される数値が異常に少ない」、「日別データの合計値と月別データの値が一致しない」という状況に遭遇することがあります。このような場合、GA4によるしきい値が適用されている可能性があります。
しきい値は、ユーザーのプライバシーを保護するための、GA4の仕組みのひとつですが、一方で、しきい値が適用されてしまうと特定のユーザーグループやセグメントの詳細な分析が困難になり、深いユーザーインサイトが得られなくなってしまう可能性があります。
本記事では、GA4のしきい値について、その適用条件や影響、そして、しきい値の適用を回避・軽減するための具体的な方法をメリット・デメリットを交えて解説します。
わたしたちGrochでは「GA4のしきい値を回避して正確な数値を反映したレポートを作りたい」、「GA4のレポーティング作業をもっとラクにしたい」といった企業さまのために、BigQueryを使ったデータ分析基盤作りの支援をしています。日々のレポート作成作業などにお困りの方はぜひお気軽にご相談ください。⇒GA4×BigQuery導入支援サービスの詳細はこちら
GA4のしきい値とは
GA4のしきい値とは、レポートに表示されるデータから特定の個人を識別できないようにするための仕組みのことです。
しきい値が適用されるとレポート内の一部のデータが表示されなくなります。これにより、個々のユーザーの特定が困難になり、ユーザーのプライバシーが保護されます。
例えば、あるレポートで、ユーザー数が少ない(例えば10人以下など)特定のセグメントがある場合、そのセグメントのデータはしきい値により「非表示」になることがあります。これは、少数のユーザーから成るセグメントのデータは個人を特定しやすく、プライバシーの侵害につながる可能性があるためです。
もう少し具体的な例で説明すると、例えば、ある特定の都市からの訪問者が非常に少ない(10人以下など)場合、この情報は個々のユーザーを識別できる可能性があるため、「非表示」、もしくは、他のデータと「集約」されることがあります。
- 非表示:その都市からの訪問者数がレポートに全く表示されない。
- 集約:その都市からの訪問者数が、他の都市からの訪問者数と一緒にまとめられ、より大きなグループとして表示される。例えば、「その他の都市」というカテゴリーで表示されるなど。
このようにして、GA4は個々のデータを特定されないよう、より広い視点からのデータを提供して、ユーザーのプライバシーを保護しています。
しきい値がデータ分析に与える影響
GA4のしきい値が適用されると、データ分析の精度や詳細度に大きな影響を与えます。具体的には以下の通りです。
分析の精度が低下する
しきい値の適用によって、特定のセグメントやディメンションのデータが簡略化され、データ分析の精度が落ちます。
これにより、特定のユーザーグループの行動を深く理解するのが困難になり、また、細かいセグメントに基づく分析も難しくなります。
深いユーザーインサイトの取得が難しくなる
しきい値が適用されると、ユーザーの詳細な行動や傾向を把握するのが難しくなります。
これにより、特定のユーザー層のニーズや行動パターンを正確に理解するのが困難になり、その結果、効果的なマーケティング戦略の構築も難しくなる可能性があります。
GA4でしきい値が適用される条件
GA4でしきい値が適用されるかどうかは、主にデータの種類やユーザーのプライバシー設定によって決まります。以下に、しきい値が適用される主な条件を紹介します。
Googleシグナルが有効になっている
Googleシグナルがオンになっていると、ユーザーの様々なデバイスでの行動が追跡されることになり、これがしきい値が適用される原因となります。
Googleシグナルを有効にすることでユーザーのオンライン行動やユーザーが利用しているデバイスを横断したデータの収集ができますが、個人を特定できる情報が含まれる可能性も高まります。
ユーザー属性情報が含まれている
ユーザーの年齢、性別、興味などの属性情報がレポートに含まれている場合、しきい値が適用されることがあります。
これらの属性情報は、ユーザーを特定したり、個人の特徴や傾向を分析したりするために使われることがあり、これが個人のプライバシーに関わる重要なデータとされています。
そのため、これらの情報がレポートに表示されると、しきい値が適用され、情報の表示が制限されることがあります。
データにばらつきがある
データにばらつきがある場合にもしきい値が適用されることがあります。
特定の属性や行動パターンを持つユーザーが少ない場合、そのデータは他の類似するデータと一緒にまとめられます。
これにより、特異なデータが他のデータに埋もれ、特定のユーザーグループの詳細な分析が困難になります。
レポートに検索語句の情報が含まれている
レポートにユーザーが検索した語句の情報が含まれている場合、しきい値が適用される可能性があります。
検索語句にはユーザーの意図やニーズが反映されているため、個人の特定に繋がりやすくなる可能性があるためです。
GA4でしきい値が適用されているかを確認する方法
GA4でのしきい値の適用状況を確認するには、各レポートページで簡単に確認することができます。
しきい値が適用されている場合、レポートの右上に「!」のマークが表示されます。このアイコンをクリックすると、「しきい値を適用しました」というメッセージが表示されます。

逆に、しきい値が適用されていない場合は、レポートの右上に緑色のチェックマークが表示されます。この場合、マークをクリックしても、しきい値に関するメッセージは表示されません。

GA4のしきい値をオフにすることはできる?
GA4のしきい値は、Google側のシステムによって定義されているため、これをオフにすることはできません。
しかし、間接的にしきい値の影響を軽減することは可能です。次の章では、GA4のしきい値を回避する5つの方法を、メリット・デメリットを交えながら解説します。
GA4のしきい値を回避する5つの方法とそれぞれのメリット・デメリット
先述の通り、GA4のしきい値をオフにすることはできませんが、以下の方法を利用することで、しきい値の影響を軽減し、より正確なデータ分析をおこなうことができるようになります。
1. Googleシグナルを無効にする
Googleシグナルをオフにすることで、しきい値の適用を避けることができます。
なお、Googleシグナルは以下の手順でオフにすることが可能です。


この手順で、Googleシグナルを無効化することができます。
Googleシグナルを無効にした場合、設定がオフになっている間はGoogleシグナルのデータは収集されません。したがって、後に「Googleシグナルのデータ収集」のトグルをオンに戻しても、オフにしていた期間のGoogleシグナルのデータは取得・参照することはできません(オフにしていた期間中に収集されなかったデータは後から取り戻すことができません)。
2. 計測期間を長めに設定する
レポートの対象期間を長めに設定し、総ユーザー数を増やすことで、しきい値の影響を軽減できます。
3. ユーザー属性情報を含めないようにする
レポートからユーザーの属性情報を除外することで、しきい値の適用を避けることができます。
4. より広範なセグメントを利用する
特定のセグメントが小さすぎるとしきい値が適用されやすくなります。より広範なセグメントを利用することで、しきい値の適用を避けることができます。
5. BigQueryを利用する
BigQueryを利用することで、しきい値の適用なしにデータを集計・分析できます。
GA4のしきい値を回避するならBigQueryがおすすめ
本記事では、GA4のしきい値を回避するための5つの方法をご紹介しましたが、これらの中で特におすすめの方法は、BigQueryを利用する方法です。
BigQueryを利用する理由は、しきい値によるデータの制約を受けず、より詳細かつ正確なデータ分析が可能になるためです。これにより、より深いレベルでのユーザーインサイトの取得や、効果的なマーケティング戦略の構築が可能となります。
ただし、BigQueryの利用はSQLの知識やデータベース管理のスキルが必要となります。そのため、専門的な知識がないと利用が難しい面もあります。
弊社では、SQLやデータベース管理の専門スキルを持たない企業様向けに、GA4とBigQueryの連携をサポートするサービスを提供しております。

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